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『ゆっくり茶番劇』商標登録したのは原作者でもない第三者だった件について

ニュース

皆さん、おはこんばんにちは。

雨宿時雨と申します。

 

さて、今回取り上げさせていただくニュースは、2022年5月18日に起きた

『『ゆっくり茶番劇』商標登録したのは原作者でもない第三者だった件』についてです。

 

それでは、早速見ていきましょう。

概要説明

まずはニュースの概要の説明からさせていただきます。

2022年5月14日、同人サークルである『上海アリス幻樂団』が展開する『東方Project』の二次創作『ゆっくり茶番劇』を原作者などではない第三者が商標登録し、商標権を取得したとして、世間に波紋を呼びました。

今回『ゆっくり茶番劇』の商標権を取得したのは動画投稿者の柚葉さんで、同日Twitter上で下記のように「今後動画サイトで『ゆっくり茶番劇』の商標を使用する際は、商標使用許可申請書の提出と年間で10万円(税別)の使用料が必要になる」との旨を主張していました。

#ゆっくり茶番 投稿者各位
この度、当社は「ゆっくり茶番劇」商標権を取得いたしました。
今後、当該商標をご利用頂く場合はライセンス契約が必要となる場合が御座います。
詳細は下記URL「商標使用に関する要網(ガイドライン)」動画版をご確認下さい。

柚葉氏によると、今回の商標登録はあくまで動画タイトルの表記などに関係する『文字商標』としており、東方Project、版権キャラクター、他者の商標及びサービスとは一切関係ないとしています。

その上で柚葉氏は「そもそも『ゆっくり茶番劇』は『東方project』のキャラクターを用いなくても『市販のキャラクター素材』のみで成立します」「法的にも正当な手続きを踏んでいる」などと主張しています。

これらの発言に対し多くの批難の声が寄せられましたが、柚葉氏は誹謗中傷に対して「厳正に対処させていただきます」と訴えていました。

なお、上記ガイドライン、Twitter上では商標権を取得したのは『柚葉企画』という会社だとしているようですが、特許庁の国税庁法人番号公式サイト上には法人情報の記載されていません。

今回の商標権取得について、2022年5月15日、『東方Project』原作者であるZUNさんは「法律に詳しい方に確認します」とTwitterにてコメントをしており、同様に動画投稿サイト『ニコニコ動画』代表の栗田穣崇さんも「ニコニコ動画の投稿者にどのような影響があるのか週明けに法務部に確認します」「会社から公式に見解を出す必要があるのか、何か対応が必要なのかについては法務確認を持って判断します」とコメントしました。

さらに同日、柚葉さんの所属事務所『Coyu.Live』は 「弊会所属ライバー『柚葉』(登録名:たまゆら)につきましては、所属規約および所属契約への違反が認められましたので、総合的に判断いたしました結果、本日付にて警告処分といたしました」「警告後、相当の期間を設けたにも関わらず改善の見込みがない場合は契約を解除します」と発表し、2022年5月16日には、「商標登録の件については現在も調査中であり、法律面の精査が必要ですので、今すぐに契約解除という事は判断は致しかねますことを報告させていただきます」とコメントしました。

また、同日2022年5月16日、海特許事務所は「『ゆっくり茶番劇』について」と題した文書を発表しました。

発表された文書には「皆様に愛されている商標であることを存じておらず、ご迷惑をおかけ致したこと申し分けございませんでした」と謝罪の旨を書き連ねた後、「よくご存じの方にとっては『これだけ使用されているのに』と思われるかもしれませんが、登録当時のインターネット検索でワードを限定して検索しても件数的には数万件程度であり、”周知”と呼べるレベルではないと判断しています」 と釈明、受理についても「代理に問題はありませんし、出願する行為にも問題はありません。もし、出願の段階で不正の目的があったのであれば、弁理士の責任として当然ストップをかけます」と見解を述べました。

さらに後の対応としては「商標権者と本商標は自身の商標であるはずと思われる方との間で話し合い等が行われ、場合によっては無効審判がなされるでしょう」「弊所がそれに対してどう関わるかは、商標権者の考えをまだ確認できていませんので確認してからとなります」 と述べています。

そうした各所からコメントが発表される最中、同日中に柚葉氏が「皆様からのご意見を受け、関係各所と再検討しましたところ、権利は当社のものとして存続させ、使用料のお支払いは不要と定めることに決定致しました」とTwitterにて発表しました。 

そんな発表から4日後の2022年5月20日、柚葉氏の所属事務所Coyu.Liveは、是正を求める警告と指導を続けたものの同氏から誠意ある対応がされとして、公式Twitterアカウントにて「柚葉氏を無期限の会員資格停止とする処分」を発表しました。

さらにその翌日2022年5月21日、同事務所は柚葉氏から「2022年5月23日から放棄手続きを開始する」という報告を受けたことを公式Twitterにて明らかにしました。

同事務所の発表では上記の旨に加え、手続きが開始されなかった場合は同会の会長および事務局長より厳しく指導を行うことを約束し、今回の発表が渦中の柚葉氏本人からではないことについても胸の内が綴られていました。

その発表から2日後の2022年5月23日、ニコニコ動画を運営するドワンゴ株式会社の会見で柚葉氏に対する商標権の放棄交渉を行い、放棄に応じない場合は無効審判請求を行うことを発表しました。

その際、ドワンゴの権利行使のためではなく、あくまで独占防止のための「ゆっくり」関連用語の商標出願を行うとも発表しました。

上記の発表については、東方projectの原作者であるZUNさんからも了承を得ているとのことです。

この会見を受け、ドワンゴ専務取締役COOの栗田穣崇さんは「ゆっくり動画は10年以上の歴史と80万本以上の作品数を誇る巨大な文化圏です。コミュニティが築き上げてきた名称が商標登録されることでクリエイターが安心して動画を創作できる環境が害されてしまっているという現状を弊社は大変残念に感じて憂慮しております。弊社は今後も関係各所と連携をはかりながら全ての方々が安心して創作活動を楽しめる環境を守っていきたいと考えております」とコメントしました。

そんな会見の同日、Coyu.Liveは新たにTwitterを更新し、柚葉氏が同日10時ごろ、弁理士に対し商標の抹消申請書類を送付し、特許庁への提出を依頼したとの報告を受けたとの旨を発表しました。

Coyu.Liveによれば、その後書類が受理されたかどうかまでは不明とのことですが、少なくとも弁理士事務所宛の受領書は画像で確認しているそうで、二週間程度で受理通知が届くようになっているそうです。

その後、柚葉氏が正式にTwitter上にて商標『ゆっくり茶番劇』(登録第6518338号)の抹消登録申請を行ったと発表しました。

その理由について柚葉氏は「関係者等に対する誹謗中傷及び名誉棄損・虚偽・捏造された情報の流布により本来の目的を全うすることが困難となった為」だと説明しています。

柚葉氏は抹消登録申請書を公開した後、「商標登録騒動に乗じて『関係者と対談、対面した』などような事実と異なる虚偽の流布が散見されておりますが、柚葉企画メンバー(リーダー・編集者・執筆者・その他関係者)含め守秘義務を課しており外部への情報流出や取材等にお答えすることは一切御座いません」と断じています。

ネットの反応

今回のようなピンポイントでの狙い撃ちは制度上の盲点を突かれた気がしています。

今回は制作者でもない個人が登録されてない事実を利用した乗っ取りだと思う。

無関係な第三者が勝手に登録して異議申し立て期間が終わってから公表するって悪意ある行動にしか見えない。

入口部分である特許庁職員や弁理士に指定区分ごとの専門知識やオールラウンド対応を求めるのはちょっとちがうと思う。

こういうこと自体は想定できたはずだし、迷惑を掛けないためにもzunさん自身が登録しておくべきだった。

不毛な争いをするよりとっとと改名して新しいプロジェクトを立ち上げた方が、新しい名前をあっという間に広まりそうな気もしますし、実害は少ないかも。

今回に関して言えば、特許庁が当該商標の公知性や公共性を見誤ったということなのではないかと思う。

今回の申請は倫理的な問題はあるけど法律的には問題がない。

 

わずか2週間ほどの現状の落としどころとして、ドワンゴの判断はこれ以上のものはないと思います。

これはどっちに転んでも柚葉の利益になる。

私が思うこと

では、ここから私が思うことをお話していきたいと思います。

今回のニュースは『第三者が”ゆっくり茶番劇”を勝手に商標登録した』というものでしたが、個人的には難しい問題だと思いました。

確かに、「東方プロジェクト」の原作者でもその二次創作である「ゆっくり」の第一人者でもない、あくまで第三者である彼が「ゆっくり」を私物化してお金を巻き上げようとしたことは、言ってしまえば、勝手に”借りパク”した上に勝手に売り飛ばしてしまうような行為と同等です。

ですから、「東方プロジェクト」並びに「ゆっくり」を愛する人から見れば許し難い行為であることは充分に理解します。

しかして、「ゆっくり」という二次創作を誰も商標登録していない以上、実質的に“借りパク”状態であったとしても、法的には現時点で誰の所有物でもないわけで、彼がその代表として名乗りを上げても法的には何ら不思議な話ではないですし、窃盗や詐欺に問うことはできません。

もちろん、『法的には何ら問題のない行為』というのは周知の事実であって、窃盗や詐欺といった罪に問おうとは誰も思っていないと思いますし、実際そういった声はあまり目にしませんでした。

要は、今回の件で問題視されるべきは“モラル的な問題”というわけです。

ここが通常的な問題よりも質の悪い部分であったわけですが、正直私から言わせてみれば、彼はある意味“頭がいい人“とも言えるのではないかと思います。

と言うのも、世の中には様々な詐欺紛いな商品、商法が溢れていますが、どれを取ってもグレーなものが多いです。

しかして、今回彼が行った”商標登録”という手段は、あくまで”早い者勝ち”というのが鉄則的なのは周知の事実であって、法的に見れば彼の行為は”白”であることは明白です。

また、彼が本気でお金を巻き上げようとしていたか、何の反発もなく「東方プロジェクト」「ゆっくり」ユーザーに受け入れられると思っていたかは別として、今回の一件は炎上商法を目的とした手段としては最適解だったように思います。

先ほどの詐欺の話と同様、世の中に出回っている炎上商法にはバカッターやバイトテロなどのシンプルな犯罪行為や迷惑行為が多く散見され、そのどれもがグレー或いは黒であることが多いように思います。

しかして、彼の行為はやはり”白”であることには間違いありません。

もし仮に、炎上商法としてグレーや黒の手法を使うならば、本来の意味でその後の人生そのものを壊しかねませんが、白の手法で炎上商法をしたならば、活動上で何らかの支障が出るだけであって、その後の人生そのものを賭けるリスクは圧倒的に少なくなります。

そもそも、炎上商法をした時点で活動上で何らかの支障が出ることは当たり前な話ですし、もっと言えば、何らかの支障が出てでも知名度を上げたいからこそ炎上商法しているわけです。

だからこそ、人生を左右することなく安全に実行できる今回のような手段というのは、炎上商法を目的とする上で最適解な手法と言えるのです。

さらに言えば、誰も想定していなかった手法というのも”芸術点”としてポイントが高いと思います。

白の状態での炎上商法というのは、暴露やデマなど数がかなり限られてくると思いますが、その中で誰も手に付けていない、むしろ、誰の目にも付いていない手法を選んで実行するというのは、言わばその道の先駆者になるのと同義ですから、そういった意味ではかなりハードルが高いと思います。

実際、彼が行動を起こしたことで今まであまり注目されていなかった”商標登録”が注目され、彼が行った手法を真似する人も多々存在したそうです。

彼の頭でどこまで計算していたかは定かではありませんが、個人的には商標登録をした時点でユーザーから叩かれるのは明白ですし、その状態でお金を巻き上げようとすれば酷いことになるのは目に見えてますから、炎上商法として敢えて今回のような手法を使ったのではないかと思っています。

もし仮に、本当に炎上商法として今回の手法を使ったのならば、かなり頭の回る炎上商法者と言えるのではないでしょうか。

ただ、炎上商法後の対応はいかがなものかと個人的には思いました。

例えば、威勢よくお金を巻き上げようとしていた割には反対の声に反発もせずに即座に撤回、自分の都合の良いコメントを拾い上げてはリツイート、多々レスバはあったものの反対の意見には大きな反論をしない…などなど、かなりの大立ち回りをした割にどこか女々しい対応ばかりで、割り切れていない感が透けて見えています。

特に、所属事務所など多くの人からのバッシング後、ひそかに商標登録抹消手続きを開始し、最後に「関係者等に対する誹謗中傷及び名誉棄損・虚偽・捏造された情報の流布により本来の目的を全うすることが困難となった為」として抹消したことを報告をする様は、まさに負け犬の遠吠え感があり、より女々しさを強調させます。

もちろん、そうした女々しさが逆に第三者の苛立ちを触発させ、更なる炎上へと助長させる要因となることもあるでしょう。

しかし、個人的には、やはり炎上商法をしてしまったのならば、レスバなどを繰り返して何があっても断固として動かない意思の強さを見せるなど、某ネコさんのようにもっと大きく暴れた方が大きな注目を集めることができたのではないかと思います。

そういう意味では、10万円の請求解除の速さといい、抹消登録の速さといい、本来もう少し粘るべきだったと思いますし、ここまで早く引き上げてしまったら、一体何のために炎上商法を仕掛けたのか、私には正直意味が分かりません。

ここまで大きな炎上商法を仕掛けたのなら、ある程度のバッシングを受ける覚悟は持つべきですし、最後まで突き通す強い意志を持つべきです。

にもかかわらず、バッシングを受けたことで1週間もしない内に10万円の請求はおろか、商標登録の抹消までしてしまうとは、炎上商法者として豆腐メンタルも甚だしい限りです。

最終的に負け犬の遠吠えまで披露してしまう始末に、私は笑いを通り越して呆れ果てました。

ここまでの行動を見た上ではっきり言ってしまえば、彼には動画コンテンツの才能はおろか、炎上商法などを用いたエンターテイナーとしての才能もありません。

今回の一件で彼には某ネコさんや某迷惑系YouTuberのような面白さは全くないことが判明しましたから、今後こういったことはないようにしていただきたいですね。

また、今回の騒動に巻き込まれた特許庁や所属事務所、ドワンゴ、原作者様などについては、あまりに災難、迷惑な話だったと思いますが、その中でも動いた各所に労いの言葉とともに、最善の手を尽くしていただいたことに感謝の言葉を送りたいと思います。

この度はお疲れさまでした、そして、ありがとうございました。

まとめ

さて、今回取り上げさせていただいたニュースは

『『ゆっくり茶番劇』商標登録したのは原作者でもない第三者だった件』についてでした。

 

今まであまり注目してこなかった商標登録。

有効的に使えばかなり有利なものですが、その反面、今回のような使われ方をすれば、全く知らない第三者に独占を許してしまう事態になってしまいます。

もちろん、そうならないためにも「特許庁の審査」と「登録料金」というものがあるのだと思いますが、それでも構わないとして平気な顔をして登録しに来る人もいます。

法的に縛ることが出来ない、あくまで第三者の良心に委ねられたこの制度。

本当に誰にも取られたくないと思うのならば、敢えて自由を与えず、満を持して登録しておいた方が後々トラブルが起きなくて済むのかもしれませんね。


今回のニュースはこれで終わりです。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

これからもニュースをお届けしてまいりますので、気に入りましたら再度見に来てくださいね。

それでは、さようならー

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