皆さん、おはこんばんにちは。
雨宿時雨と申します。
さて、今回取り上げさせていただくニュースは、2022年5月18日に起きた
『阿武町誤送金問題によって男性が逮捕された件』についてです。
それでは、早速見ていきましょう。
概要説明
まずはニュースの概要の説明からさせていただきます。
2022年4月8日、山口県阿武町にて、1世帯あたり10万円の新型コロナウイルス感染症対策支援の特別臨時給付金を本来複数世帯に入金するところ、誤って4630万円を1世帯の男性のみに振り込むという事務ミスがあったことが発覚しました。
阿武町職員によりますと、それまで振込手続きを担当していたベテランの職員が異動になったことで、今回は経験の浅い新人職員に引き継がれて業務が行っていたそうです。
業務内容は振込先のデータを銀行に渡すだけのものであり、今回も同じように2022年4月1日に463世帯分の口座情報データをフロッピーディスクに入れて銀行に渡したようですが、その後の2022年4月6日に本来提出する必要のない振込依頼書も一緒に銀行に送ってしまったようです。
提出した振込依頼書には記載ミスがあり、提出したデータの一番上に記載のあった男性に対して4630万円を入金するように記載されていたようです。
そして、その2日後の2022年4月8日、金額の大きさに異変を感じた依頼した銀行が阿武町に対して指摘したことで、阿武町は誤送金であることに気が付いたということです。
しかし、気付いた時には既にフロッピーディスク及び振込依頼書の通りに振り込みが行われており、フロッピーディスク内のデータ情報に基づく各世帯への現金10万円と、振込依頼書に基づく男性への4630万円の振り込み処理は完了していました。
阿武町は同日中に誤って入金してしまった男性へ謝罪して返還の手続きを行うよう求めると、男性は素直に同意したため、役場職員と入金された宇部市の銀行まで車で向かいました。
道中、男性は「銀行へ行くならハンコが必要ではないか」と話したため、100円ショップに立ち寄って認め印を購入した後に宇部市内の銀行に到着しましたが、男性は銀行の入り口で突然「やっぱり今日は手続きしない。後日、公文書を郵送してほしい」と言い出したそうです。
役場職員は仕方なく男性の意思に従って自宅へ帰しましたが、男性はその日を境にカード決済によって多額のお金の引き出し、その後もほぼ毎日お金を動かしたことで、男性の口座からは約2週間弱でほぼ全額がなくなったとのことです。
口座残高がなくなる1週間前の2022年4月15日、男性が宇部市内の銀行からお金を移動させていたことを知らなかった役場職員は、男性の勤務地まで男性の母親を連れて返還の説得を試みたそうですが、男性は「なんで役場がミスして誤送金したくせに僕ばかりを責めるんだ」と役場の非ばかりを述べ、「弁護士と話してから対応する」として会話が成り立たないような状況だったそうです。
その後、2021年4月21日夕方、改めて自宅を訪問した役場職員に対して男性は「お金は既に動かしてしまったからもう戻せない」「犯罪になることは分かっている」「その罪は償う」などと話し、それを皮切りに男性は仕事を辞めて行方をくらましました。
この時点で花田町長は「当初は申し訳なかったけれどもそれとこれは話が違う」「今からでもよいので返してもらいたい」などと話しました。
そして2022年5月12日、阿武町役場は今回の件について臨時の町議会を開き、法的手段を取るか否かを議論したところ、満場一致で男性に対して法的手段を取ることを決定し、同日中に給付金の全額と弁護士費用などを合わせた5100万円余りの支払いを求めて山口地裁萩支部に提訴しました。
この決定について花田町長「現在は返還に応じない男性を犯罪者だと思っている」「誤送金の当日からお金が引き出されていて大変悪質」「全力を挙げて回収したい」などと話しました。
その4日後の2022年5月16日午後5時、男性側の弁護士が顔を伏せる形で記者会見を行いました。
その際、男性側の弁護士は「男性は4月の段階で山口県内の警察署に任意出頭して事情を全て説明しており、その際に男性のスマホも任意提出済み」「今後も警察等捜査機関から要請があった場合には必ず事情聴取に応じる考えを示しており、訴訟にも必ず対応する予定」「男性はスマホを使って全額使い切っており、一銭も残っていない状況」「現実的な問題として、現在の状況では返還が難しい状態」「男性は現在も連絡が取れる状態で、所在不明になった事実はない」などと話しました。
この会見について花田町長は「あれだけの大きなお金がいっぺんに消費されるということはなかなか考えにくかったのですが、まさか本当に全て消費してしまうとは思わなかった」「とは言え、今ここで『はいそうですか、断念します』とは思わない」「使い道については裁判で明らかにしたい」「一般論で言えば、本当であれば許せない気持ちがある」「公金の回収に全力を尽くしたい」などと話しました。
その後、2022年5月18日、自分名義の銀行口座に入金された給付金の一部を自分のお金のように装って決済代行業者の口座に振り替えたとして、山口県警は”男性”もとい阿武町福田下に住む無職の田口翔容疑者(24)を電子計算機使用詐欺容疑で逮捕しました。
山口県警によりますと、田口容疑者は2022年4月12日に振り込まれた4630万円を、阿武町役場のミスによって入金されたものだと知りながら、スマートフォンを操作してオンライン決済サービスを利用し、決済代行業者の口座に400万円を振り替えたことで東京都江戸川区の金融機関を騙し、財産上の不法な利益を得ていたとのことです。
山口県警の調べに対して田口容疑者は「間違いはない」「数社のネットカジノで使用するために別の金融機関の口座に振り替えた」「お金を使ってしまったことは大変申し訳なく思う」「少しずつでも返していきたい」と供述しており、容疑を認めているとのことです。
また、現時点で財産的価値のあるものはないため、差し押さえ等もできない状況であることから、返還方法については「働いて返すしかない」と話していたそうです。
今回の逮捕を受け花田町長は「交付金の誤振り込みが発端だっということは間違いの無い事実で、そのことについては当事者に申し訳ないことをしたという気持ちは当然のこととして思っている」「身柄を拘束して証言が得られる形になったということについてはお金を取り戻すひとつの足がかりができたのではないかと思う」と話しました。
ネットの反応
彼も被害者とか言う意見があるが、誤入金が分かったその時点できちんと返還していれば今回のような事態には至らなかった。
間違って入金してから使うまでが早すぎる。
男性は誤送金された事を確認していた上でオンラインカジノに全額を使ったというのは理解し難い。
もちろん横領した本人が一番悪いのだが、役場のミスによってこういう事態が発生したのも事実だから、二度と同じ問題が起きないように、しっかり対応してほしい。
何故新人職員だけに任せたのか。
役場に非があるから金を返さないと言う言い分は誰が考えても通らないでしょう。
役所のミスが発端だとしても、間違って振り込まれた事を聞いて知っているのにそのお金を使って得するとか有り得ない︎。
職員の方が間違って振込まなければ、この田口容疑者の人生はこうはならなかったのではないか。
ちょっとしたミスでも人の人生を大きく変えてしまうことがあると言うことを、この職員の方は反省すべきだと思います。
私が思うこと
では、ここから私が思うことをお話していきたいと思います。
今回のニュースは『役場が振り込んだ4630万円の誤送金をネットカジノで溶かした男性が逮捕される』というものでしたが、正直な話をすると、個人的にはお金が振り込まれてしまった男性が可哀想な気がしてきてしまいます。
もちろん、誤って振り込まれたものだと知っていながらも、そのお金を使い込んでしまった男性側にも非があるのは重々承知です。
と言うより、給付金や補助金などの政策、施策には全て法令、条例、要綱が定められており、どの条文においても下記のようなことが定められていることが多いです。
市長は、申請者が次の各号のいずれかに該当するときは、給付金の支給の決定の全部又は一部を取り消すことができる。
(1)申請書の不備の補正を市長が指示したにもかかわらず、これに応じなかったとき。
(2)給付対象者でないことが明らかになったとき。
(3)偽りその他不正の手段により給付金の支給を受けたとき。
(4)法令、規則若しくはこの要綱に違反し、又は市長の指示に従わなかったとき。
上記の条文によれば、今回の場合は(2)又は(4)に該当すると考えられるため、こうした条文を守らなかった以上は違法や違反行為であると認められても仕方がありません。
なので、今回の男性が逮捕される、非難される結果となったのは素直に食い下がらなかった彼自身の自業自得であって、致し方のない判決だったとは思います。
しかし、だからといって、なぜ彼ばかりが責められなければならないのでしょうか。
もちろん先も言ったように、最終的に悪いのは誤送金だと知っていても素直に返さず、あまつさえ、お金を使い込んでしまった男性側ですが、そもそも論を持ち出せば、今回の事件の事の発端は明らかに阿武町側の責任です。
もっと話を掘り下げて言えば、なぜ新人職員にチューターもなしに仕事させているのでしょうか。
入庁何年目の新人職員かは不明ではありますが、恐らく4月1日付で会計課に配属された職員であることを考えれば、前担当職員からマニュアルを教えられたとて、初っ端から1人では行動せず、通常的には先に配属されている先輩職員、上司職員が指導やチェックに当たるはずです。
それも数万、数十万の金額ならいざ知らず、今回のような数千万も掛かる手続きなら尚更です。
確かに、データを受け取って送るだけの単純な事務作業ですから、マニュアルや引継ぎ書を見れば1人でやれなくもない仕事だったのかもしれません。
しかして、本来であれば振替依頼書を送らなくても良かったわけですから、マニュアルや引継ぎ書、教わった事項には入っていなかったはずです。
だとすれば、考え付く理由は「担当した新人職員が勘違いだと気づかず、当たり前かのように単独で送ってしまった」か「担当した新人職員に送るように指示した職員がいた」かのどちらかです。
どちらにしても、新人職員の他に”しっかりと”事務内容を把握している職員が1人でも付いて、作業内容をダブルチェックなどをしていれば、今回のようなことにならなかったのは明白です。
そんな人事ミスを役場職員がしていたのにも関わらず、阿武町長は「それとこれは話が違う」などと棚に上げ、挙句の果てに男性に対して「犯罪者だと思っている」などと言い放ったわけです。
もちろん、当日中に謝りに行ったのも、事件後も謝罪の気持ちがあったことも認めます。
そこで男性が素直に返還すれば、今回のような事態にならなかったのも重々承知しております。
ただ、ある記事では男性は極度な”貧困コンプレックス”を抱えていたことが判明しており、そんな彼が大金を目の前にして正常な判断ができるとは到底思えませんし、大金に目を眩ませて「役場が振り込んだのだから全て役場の責任だ」と不道理な言い訳でネコババしたくなる気持ちも分かります。
事実、彼のもとに大金が振り込まれたのは、職員の管理体制の甘さが露呈した役場側の責任です。
にも関わらず、そんな”貧困コンプレックス”を抱えた彼の心を揺さぶっておきながら、自分の部下の責任ひいては自分の責任を棚に上げ、男性をやれ「犯罪者だ」やれ「悪質だ」…などと、あたかも男性のみが悪者かのように仕立て上げる阿武町長。
正直言いますと『どの口がそんなこと言ってるのか』という話です。
しかも、結果的に男性の職や信頼を失わせ、挙句、男性を提訴して逮捕までさせたことで、1人の人間の人生をも狂わせたにも関わらず、事務ミスしたことをただ1度謝っただけで許されると思っている、それ以外は全て男性が悪者だと思っているところも、個人的にはどうかと思います。
何度も言いますが、確かに最終的に悪いのは男性側ですから、男性が逮捕や批判されるのは十分理解できるものだと思います。
しかして、その陰に隠れて自分たちのミスを棚に上げて被害者面している阿武町役場、もとい花田阿武町長はそれ以上に卑怯だと思いますが、なぜ男性だけが責め立てられて、花田阿武町長率いる阿武町役場は公的にお咎めなしなのでしょうか。
また、それに加え、お金を男性に振り込んだ銀行側の対応も個人的には引っ掛かります。
役場から企業に渡るお金ならいざ知らず、役場から個人に4000万円以上のお金が振り込まれるというのは、通常的に考えればあり得ない話だと思います。
もちろん、通常的な処理をしたと言えばそれまでの話ですが、それでも個人に対して4000万円以上の振り込みは明らかに警戒するべきポイントであったと思います。
事実、振り込んだ後の話ではありましたが、銀行側から役場に連絡があったわけですから、銀行側も警戒すべきポイントであったことは理解していた話です。
にも関わらず、なぜ銀行側は振り込んだ後に役場に連絡したのでしょうか。
何にしても、役場との連携ミス、確認ミスがあったことは明白だと思います。
そうした各所のミスが浮き彫りになった現在もなお、男性のみが逮捕され、拘束され、圧倒的なまでに社会的に袋叩きにあっています。
そのような現状に私はどうしても違和感を覚え、むしろ男性が被害者の1人として可哀そうに思えてきてしまうのです。
まとめ
さて、今回取り上げさせていただいたニュースは
『阿武町誤送金問題によって男性が逮捕された件』についてでした。
『悪いことをしたら裁かれる』というのは確かに道理に適っていると思います。
しかして、悪に至った経緯や全容を見ようともせず、『悪人であること』を大義名分として袋叩きにしようとする大衆の心意気は間違っていると思います。
もちろん、どういった経緯があろうと犯罪行為に手を染めるのはいけないことであって、その罪はしっかりと償うべきものであることは明白です。
ただ、その結果だけで第三者が一方的に判断するのはあまりにも早計過ぎるのではないでしょうか。
私は私たち第三者が本当に見るべきは『その経緯や全容を鑑みた結果』だと思うのです。
だから、今回の結論は『登場人物全てが悪く、全員相当な公的・社会的処分を受けるべきではないか』と個人的には考えるのです。
今回のニュースはこれで終わりです。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
これからもニュースをお届けしてまいりますので、気に入りましたら再度見に来てくださいね。
それでは、さようならー
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