皆さん、おはこんばんにちは。
雨宿時雨と申します。
さて、今週の時雨ブログも前回、前々回同様、和歌山県3泊4日の一人旅のご様子をお伝えします!
本日は3日目ということで旅もいよいよ大詰めとなってまいりました。
一体どのようなものになったのでしょうか。
それでは、早速見ていきましょう!
…とその前に、1日目、2日目の様子を見ていない方は、是非そちらから先にご覧ください!
ということで、気を取り直して3日目の旅の始まりです!
目次
決戦の日
昨日と同様、静かな部屋に鳴り響くは「しゅわしゅわハニーレモン350ml 」。
目覚ましとしてセットしていたその軽快な音楽で起きる私。
スマホで時間を確認すれば、もちろん昨日アラームを設定していた通りの時間です。
そんな時刻は朝5:30。
昨日よりも30分前倒しの起床時間でございます。
なぜ、そんなに早く起きたのか。
そこには明確な理由がありました。
実は、本日向かう場所はこの旅最大の難所『熊野古道』です。
「熊野古道って何?」「熊野古道に行くだけでそんなに時間かかるの?」などと思われている方もいるかもしれませんが、ここが本当に難所なのです。
難所『熊野古道』とは
そもそも『熊野古道』というのは、今から何百年も昔、舗装された道路なんてものがなかった時代に使用されていた山道です。
ただ『熊野古道』と単に言ってもその道は様々で、大きく分けて5つのコースに分かれます。
紀伊勝浦から白浜までを海岸沿いに繋ぐ『大辺路』、同じく紀伊勝浦から白浜までを和歌山県を横断する形で繋ぐ『中辺路』、熊野本宮大社から高野山までを繋ぐ『小辺路』、和歌山県から奈良県までを繋ぐ『大峯奥駈道』、和歌山県から三重県伊勢神宮までを繋ぐ『伊勢路』の5つです。
説明を聞いていただいて分かる通り、どの道を選んでも途轍もない距離を歩くことになります。
距離にして大体のコースは全長60キロ以上はあることでしょう。
まあ、とは言っても、流石の私も1日で60キロ以上も歩こうなどとは思っておりません。
今回歩く道は『中辺路』の約半分、熊野那智大社から熊野本宮大社近くまでの約30キロ区間を歩こうと考えております。
実は予定している区間には『大雲取越』『小雲取越』、合わせて『雲取越え』と言う名称もつけられているくらい、色々な意味で熊野古道の中でも有名なルートなのです。
ただ、当たり前な話ですが、有名だからといって旅行中に約30キロも歩く人はなかなかいません。
ハイキング、ウォーキング、トレッキングが好きな人なら話は別ですが、基本的には、大門坂、熊野那智大社、那智の滝など、本来の意味の『熊野古道』に入る手前の場所だけ見て終了するのが普通です。
もし仮に『雲取越え』をする人がいたとしても、本来『大雲取越』と『小雲取越』というように分けて、2日で『雲取越え』をするというのが一般的です。
もちろん、冒頭にもお伝えしているように今回の旅の予定は3泊4日。
2日間に分けて歩いていたら、明らかに時間が足りなくなってしまいます。
しかし、仮にも私は毎夜走っている「ランナー」であり、旅行が大好きな「トラベラー」です。
たとえ約30キロという距離であれ、世界遺産『熊野古道』を歩いてみたいという衝動があります。
であれば、もう『熊野古道』約30キロを1日で歩くほかありません。
しかしながら、先ほども言った通り、普通の一般観光客はそもそも『雲取越え』をしませんし、したとしても2日で行うというのがセオリーです。
そのため、「1日で『雲取越え』をしてみた」などという話は全くなく、実際にどのくらいの時間が掛かるのかというのが掴めません。
一応、和歌山県公式の熊野古道散策マップでの標準所要時間は『大雲取越』で約7時間、『小雲取越』で約5時間30分の計12時間30分、標準歩行時間だけで見ても『大雲取越』で約5時間、『小雲取越』で約4時間30分の計9時間30分、と大分時間が掛かります。
ただこれはあくまで”標準”の時間で、私が知りたいのは”実際”の時間です。
私の計算上、普段の平地での1キロあたりのペースはウォークで約10分ですから、このペースより少し遅いくらいの約5時間ほどでゴールできると読んでいます。
とは言っても、実際の地形も経験上の時間も掴めない以上は標準時間を参考にするしかありません。
ということで、今回の熊野古道散策にあたって、最悪12時間ほど掛かってもいいようにと、できるだけ早く出発することに決めたのです。
『熊野古道』への準備 ~心・体・持ち物・服装~
そんな経緯もあって朝5:30に起きた私ですが、やはり眠いものは眠いものです。
少しでも眠気を覚まそうと外を見てみると、何とも見事な満点の晴れ模様で、実にトレッキング日和といった具合の天気でした。
しかし、これから約30キロを歩くわけですから、心の中は素直な晴れ模様とはいきません。
とにかく、無理矢理にでも目を覚まそうと、私は温泉に浸かりに行くことにしました。
こちらのホテルも昨日同様、朝夕で男と女が入れ替わるタイプでした。
まあもちろん、効能や水質が変わるわけでもありませんから、気持ちよく浸かることができました。
ただ1つ欲を言えば、昨日見れていた海が見れなくなったのは少し残念でしたね。
そんな紀伊勝浦温泉独特の熱めの温泉に浸かり、体も解れて目もすっかり冴えたところで部屋に戻ると、時計は既に6:00を回っておりました。
ここから熊野古道まではバスを利用することを予定しており、そのバスの出発時刻は6:40ごろとなっております。
しかし、焦ることはありません。
昨日寝る前に持っていくものは既に準備してあります。
因みに、今回の熊野古道散策で持っていった荷物は以下のものです。
500mlの水×2本、軽食(カロリーメイト、ウィダー)、財布、薄いウィンドブレーカー、合羽、絆創膏、ガーゼ、テーピング、ビニール袋、カメラ(レンズ×2、三脚)、スマホ、イヤホン、モバイルバッテリー、以上合計13点。
これらの物を小さめのリュックサック1つに詰めていきました。
そして、私は普段ランニングしている時に使用しているジャージに着替え、足には水ぶくれなどの後遺症があるため、歩行に支障が出るかと思い、しっかりとテーピングを巻くなどして準備を着々と進めていきました。
準備を進めること約20分、時計の針は6:20を指したころ、とうとう全ての準備が完了しました。
ここからバス停までは歩いて約10分の距離。
少し早いとも思いましたが、早いに越したことはありません。
私はこれまた普段ランニングで使用しているシューズを履き、先ほどのリュックサックを背負い、気合を入れてホテルを後にしました。
いざ決戦の地『熊野古道』へ
ということで、朝6:20、決戦の地へ向けて足を前身させていきます。
まずは、先ほどのバスへ乗り込まなければなりません。
バス停はホテルから約1キロほどの距離にある紀伊勝浦駅前のバスターミナル。
私はウォームアップだと思い、駅までつかつかと歩いていきました。
もちろん、特段トラブルもなく、10分足らずで無事にバスターミナルへ到着。
こんなに朝早くから出るのは私だけだと思っておりましたが、意外と先客はいるものです。
そこには既に2名ほど、どちらもまさしく「今から歩きます!」と言わんばかりの恰好でした。
そして、待つこと約10分。
決戦の地へ向かうバスがやってきました。
私はここから戦いが始まるのだと唾を飲み込み、ドキドキワクワクしながらバスへ乗り込みました。
その時の心情をTwitterでこう綴りました。
熊野古道。
大雲取越・小雲取越合わせて30km。
この長い道を1日で歩ききる。それでは修行に行ってきます。
— 雨宿り@時雨 (@amagure1111) September 24, 2021
そして、バスに揺られること約20分ほどが経過し、見えてきたのは「熊野那智大社」の標識。
さらに10分経過すると「那智の滝前」のバス停までたどり着きました。
もう間もなく、決戦の火ぶたが切られようとしています。
さらに数分もすると、バス内には「終点、那智山」というアナウンスが流れました。
そう、とうとう着いてしまったのです。
私はその終点の駅で降りると、長い旅になることを見越して、まずは用を足しました。
そして、全て出し切ったところで「よっし行くぞ!」と小さくつぶやき、最初の目的地『熊野那智大社』を目指しました。
スタート地点『熊野那智大社』『青岸渡寺』
さて、まず最初の目的地として、熊野古道・大雲取越のスタート地点である『熊野那智大社』を目指すわけですが、最初に言っておくと、バスの終点である「那智山」からもうスタートしていると思った方が無難かもしれません。
私も最初は終点の駅からすぐ近くにあるものと思っていたのですが、実際のところ、さらに上へと階段を上っていくと『熊野那智大社』が見えてきます。
この階段が意外ときつくて、この時点で音を上げる人もいるのではないかと思うほどです。
さらに言うと、階段の入り口も微妙に分かりにくい気がします。
終点駅近くに階段があるのかと思いきや、実はちょっと行った先にあるような感じです。
皆さんは迷わないように気を付けてくださいね。
そんな感じで妙にきつい階段を上っていくと、やっとのことで赤い鳥居とともに『熊野那智大社』の文字が見えました。
まだ始まってもいないのに、なんだか少し体力を消耗してしまいました。
そして、さらに数十段と階段を上がっていくと、ようやく『熊野那智大社』が姿を現しました。
ゆっくり見物をしたいのはやまやまですが、先が詰まる可能性があることを考えると、そう簡単にうかうかもしていられません。
と言うのも、実は夜7:15までにゴールに間に合わないと電車やバスの終電が無くなり、ホテルへ帰れなくなるのです。
もちろん、標準所要時間である12時間は確保しているので大丈夫だとは思いますが、下手をすると疲れている体で野宿せざるを得なくなるという、非常にリスキーな状況に立たされているのです。
それを考えると、1分1秒でも無駄にはできないのです。
ということで、ゆっくり観光したいところではありますが、先を急ぐことにしました。
ただ、そのまま通り過ぎるのも縁起が悪い気もするので、一応神様に雲取越えすることを告げ、無事に歩ききれることを願っておきました。
因みに、『熊野那智大社』を右に抜けていくと『青岸渡寺』というお寺があります。
熊野古道へ抜ける順路でもあるので、少しちらっと見ましたが、写真を見てもらっても分かる通り、熊野那智大社よりも落ち着いた雰囲気があり、個人的にこちらの方が好きでした。
また、このお寺の敷地内では那智の滝と三重の塔を一望できる場所もあります。
今回は時間の都合上、三重の塔や那智の滝を間近で見ることはできませんが、有名な二つの組み合わせが何とか見れて良かったです。
いよいよスタート『熊野古道・雲取越え』 ~基本説明~
ということで、なんだかんだ時刻は7:35。
スタート地点の熊野那智大社にもたどり着き、いよいよここから『熊野古道・雲取越え』がスタートとなります。
なお、先ほどもご説明した通り、こちらの『熊野古道・雲取越え』は、主に2つのコースが合わさって完結する全長約30キロのコースとなっています。
まず1つ目のコースは『大雲取越』コース。
全長約14キロのコースで、熊野那智大社をスタート地点とし、その先の小口という土地をゴールとする、熊野古道でも最も険しいコースと言われております。
次に2つ目のコースは『小雲取越』コース。
全長約13キロのコースで、小口という土地をスタートとし、その先の熊野本宮大社近くの土地をゴールとする、『大雲取越』よりも比較的緩やかなコースとなっております。
以上の2つのコースを連続することで、全長約30キロにも及ぶ『雲取越え』を達成したことになります。
通常2日で達成するのが一般的なこのコースを、今回は1日で走破していきます。
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