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Asics『VERSABLAST MX』から学ぶ”内面を吟味する大切さ”

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皆さん、おはこんばんにちは。

雨宿時雨と申します。

 

さて、先日とあるランニングシューズを購入いたしました。

その理由は至ってシンプルなもので、以前より愛用していたAsics『HEATRACER』のソールが底をつき、走るにはそろそろ限界を迎えてきたからです。

 

今思い起こせば、『HEATRACER』には非常に世話になりました。

仕事終わりに毎日のように10km以上の道のりを走りに行く私が、割安価格4,500円とかなりの破格で購入したシューズ。

その前に履いていたAsics『GEL-INFINI 2』の履き心地の良さに慣れていた私にとって、確かに最初は不満ばかりが募るシューズでしたが、それでも1年2ヶ月ほど履き続けることができた物持の良いシューズであったとも思います。

 

しかして、そんなシューズもソールが底をつき、足を痛めそうなほどにバネがなくなってきました。

流石の貧乏性な私もその事実に買い替えを検討を余儀なくされ、その結果として今に至ります。

 

兎にも角にも、新しいシューズを購入した私。

普段あまり物のレビューをしない方なのですが、口に出したくなるほど印象的なシューズだったので、今回はその件についてお話をしたいと思います。

シューズの紹介

…ということで、早速今回購入した靴のご紹介いたします。

今回購入したのはAsics『VERSABLAST MX』というランニングシューズです。

 

『VERSABLAST MX』は、Asicsの中でもランニングを楽しく行うために開発された「BLAST BEYONDシリーズ」の中でも最下層に位置するシューズです。

「BLAST BEYONDシリーズ」で特出される“トランポリン構造”を採用しており、アウターソールの中央部分のくぼみがトランポリンのように弾む感覚を与えてくれるシューズとなっています。

シューズの感想&デメリットの紹介

そんな説明がなされている本シューズ。

使い始めてから早1ヶ月を過ぎようとしている私が率直に感想を申し上げます。

 

「大会でのタイムを上げたい」などのレベルを高めたいのなら買わない方が無難です。

 

…と言うのも、商品説明にも書いてある通り、本シューズは“トランポリン構造”を採用しています。

しかし、この構造が良くも悪くも働きすぎていて、むしろランニングの質を低下させているのです。

抽象的すぎて分かりにくいと思うので、具体的にもう少し詳しく説明いたします。

力が伝わりにくい

皆さんはトランポリンに乗った経験はあるでしょうか。

かく言う私も、生まれてから数回程度しか乗ったことがありませんが…(苦笑

 

私の経験上、『トランポリン』というのは無条件で跳ねてくれるわけではありません。

正しい力の入れ方、正しいバランス、正しい姿勢、正しいタイミング…など、それらが重なることで綺麗に跳ねることができます。

逆を言えば、どれだけ力を込めようとも、どれだけ自分なりのタイミングや姿勢で飛ぼうとも、それらが正しくないと力がトランポリンに吸収されてしまい上手く飛べません。

 

これらの事象が“トランポリン構造”を採用した本シューズにも起きます。

具体的な話をすれば、前に進もうと地面を蹴り上げてもシューズによって全て力が吸収され、なかなか前へ進むことができないのです。

 

そもそもAsicsのランニングシューズには大きく分けて3つの種類があります。

1つは本シューズ『VERSABLAST MX』のような長く走る楽しさを求める「energy」。

1つは『HEATRACER』のような速さを求める「speed」。

1つは『GEL-INFINI 2』のようなクッション性を求める「protect」。

 

「speed」は速さを求めるためにバネが程よく効かせてありますが、その一方でソールを薄くするなどの軽量化が図られており、「直に蹴っているようなのによく前に進む」という設計になってます。

「protect」はクッション性を高めるためソールの重みはありますが、その一方で『GELシリーズ』のようなバネをふんだんに使った仕様になっているため、「力を入れずとも楽々と前に進める」という設計になっています。

確かにどちらも方向性は違うはずですが、使用されているバネのおかげか、蹴り上げた力の分だけの結果は必ず付いてくるものでした。

 

しかし、「energy」もとい『VERSABLAST MX』は違います。

蹴り上げる力や蹴り上げるタイミング、蹴り上げる姿勢…などが正しいものでなければ、いくら力を込めて蹴り上げようとも、積み上げてきた自分なり走り方をしようとも、力はシューズに吸収されて前に進むことができなくなります。

そして、その『前に進んでほしい』という思いとは裏腹の結果にもどかしさを覚え、やがては焦りが生じ、余計に力を込めて走ってしまうこともしばしばですが、やはり結果は同じ事。

むしろ余計に力を込めた分、無駄な体力を消耗してしまうこととなり、長距離を走らなくてはならないランナーとしては最悪の結果を招くこととなります。

 

今まで『HEATRACER』や『GEL-INFINI 2』など、直に力が伝わるシューズやクッション性の高いシューズを履いてきた私にとって、力が伝わりにくく前に進まないシューズというのはストレスでしかありません。

 

上に弾みすぎる

陸上競技には「ピッチ」と「ストライド」という言葉が存在します。

「ピッチ」というのは足の回転数、「ストライド」というのは歩幅のことを指し、当然のごとく、この二つで走る速さが決まってきます。

そのため、長距離をやっている方、特にタイムを気にされる方なら、一度くらいはピッチとストライドは気にされるポイントかと思います。

 

当たり前な話にはなりますが、上記の二つで速さが決まるわけですから、基本的に「ストライドを長くした上でピッチを早くする」というのが理想論ではあります。

しかして、人間というのはそう上手くは出来ていないのが現実です。

現実的な話をすれば、ストライドを長くすると前に跳ぶ力を必要とするため、前に跳んでいる分の滞空時間が生まれることでタイムロスが生じ、結果的にピッチが遅くなります。

逆に言えば、滞空時間を短くすることでピッチを早めることができますが、前に跳ぶ力が弱まるためにストライドは短くなるということになります。

つまり、基本的にはピッチかストライドのどちらかを優先し、切り捨てるしかないのです。

 

とは言え、「どちらも切り捨てずに済むに越したことがない」というのも事実です。

そうした問題を解決するために生まれたのが、前述しているシューズの”バネ”なわけです。

 

”バネ”というのは説明するまでもない、皆さんのご想像している通りのあのバネです。

ご存じかと思いますが、バネというのは縮ませれば縮ませるほど弾む力が大きくなります。

そうした原理がシューズにも生かされているというわけです。

 

前述した通り、以前使用していたシューズ『HEATRACER』『GEL-INFINI 2』のどちらにもバネ感があり、特に『GEL-INFINI 2』に至ってはAsics特有の「GEL」というバネを使用した「GELシリーズ」の1つだったため、反発性にはかなり長けていた記憶です。

こうしたバネ感や反発性があることで、ピッチを早めた上で前に跳ぶ力を強化することができ、その結果としてストライドを長くすることができるわけです。

 

しかして、本シューズ『VERSABLAST MX』は違います。

もちろん、”トランポリン構造”になっているが故のバネに似た跳ぶ力というものはあります。

ただ、ご存知の通り、トランポリンは力の掛かる方向へ垂直にしか跳べません。

つまり、”トランポリン構造”を持つ本シューズはバネとは違って単純に跳ぶ力でしかないため、体重の重心を極端に前へ持って行かなくては前へ進む力にはならないということです。

逆を言えば、重心を前へずらさずに走っていると、シューズが本来持つ跳ぶ力だけが発揮されてしまい、無駄な滞空時間が生まれてしまうことになるのです。

 

さらに、その滞空時間が少し長くなるだけならいざ知らず、本シューズは”トランポリン構造”になっているが故に、ベストな加減で踏み込むとその分だけよく跳びます。

要するに、”トランポリン構造”であるが故に垂直方向へとよく跳ぶ分、滞空時間が余計に長くなり、その結果、前へ重心をずらさずに走っていると、ピッチはおろか、ストライドも滞空時間の割には短くなってしまうのです。

 

また、垂直方向にしか跳べないが故に、平坦な道よりも重心移動が効かない坂道を苦手とします。

バネであれば跳ねるように登れる坂道も、本シューズではスラスラと進める道ではなくなるのです。

 

足を痛める

そもそもシューズとは、本来足を痛めないようにするために開発されたものです。

特に、Asicsの中でも「GELシリーズ」を筆頭とする「protect」に位置するシューズは、クッション性を高めることで直接的な足への負担を軽減させ、走りやすくしたシューズとなっています。

 

しかし、本シューズ『VERSABLAST MX』は違います。

本シューズには無駄な屈伸運動が要求され、膝や太ももを酷使する結果となるのです。

 

と言うのも、やはりこれもまた”トランポリン構造”の弊害にはなりますが、トランポリンの性質上、跳ぶ力を得るためには足の屈伸運動が必要となります。

しかして、本来長距離ではそこまで深い膝の曲げ伸ばしは必要なく、むしろ無駄な疲労を防ぐためになるべく無駄な動きを減らすのが通常的です。

そんな中で”トランポリン構造”を用いる本シューズは無駄な屈伸運動が必要とされ、その分だけ膝や太ももを酷使する原因となります。

この膝や太ももの酷使が長距離を走っていく中で蓄積され、10キロ、15キロ走った後には足の痛みへと変貌を遂げます。

 

こうしたことを考えると、長い距離を踏むランナーにはかなり不向きなシューズと言えます。

 

シューズのメリットの紹介

とは言え、悪いことばかりではないことも確かで、欠点が逆に長所になる点もいくつかあります。

長所①:前傾姿勢を保つことができる

まず、前傾姿勢を保つことができます。

長距離ランナーにおいて姿勢もかなり重要視されるポイントだと思いますが、その中でもやはり蹴り上げた力が前に進む力へと換算されやすい前傾姿勢が重要視されます。

しかして、前傾姿勢というのは腹筋や足の筋力などが消耗されやすく、体幹や体力が必要とされる姿勢となるため、後半につれて垂れてくるなど、意識しても簡単に身に付くものではありません。

一方、本シューズでは”トランポリン構造”があるために強制的に前傾姿勢を意識せざるを得ません。

そのため、本シューズを履いていると自ずと前傾姿勢を保つことができるのです。

 

長所②:ストライドを長くできる

さらに、上手くいけばストライドを長くとることができます。

前述した通り、本シューズは”トランポリン構造”がある故に高い跳躍力を持ちますが、あくまで垂直にしか跳べないという欠点を持ち、前傾姿勢でいないと無駄な滞空時間を生むだけになります。

しかして逆を返せば、もし仮に前傾姿勢を保つことができたならば、ストライドを長くすることも可能であるということになります。

もちろん、本シューズはかなり跳ねすぎるあまり、その分のピッチは遅くなる形にはなりますが、ストライド走行をする人にとってはかなり楽なシューズであることは確かです。

 

長所③:ライトランナーにはおススメできる

また、あまり長い距離を走らない、タイムを気にしないという方にはおススメかもしれません。

前述した内容は全てタイムを気にする、長距離を走る上での弊害でしかありません。

正直、タイムを気にしなければ跳躍力や走力などはいらないと思いますし、長距離を走らなければ足を痛める心配もほとんどありません。

その上で本シューズを履くのであれば、トランポリンなしに軽々と上に弾む感覚を味わえるため、今まで以上に楽しいランニングになることでしょう。

今回の件で伝えたいこと

正直に言いますと、今回のブログはなかなかスピードが出ない本シューズに憤りを感じ、デメリットを書き出してみようと思って作成いたしました。

しかし、こうしてメリット・デメリットをまとめてみると、実際は企業が掲げるコンセプト通りの仕上がりになっているような気がします。

 

もちろん、私自身も購入前には商品説明やレビューを確認して試着も試みました。

しかし、あまりの評価の良さから「トランポリンもバネも変わらない」などという勝手な思い込みによって、やはりどこかで過度な期待を寄せていた節があったのも事実です。

 

そもそも本シューズを購入したきっかけは、値段の安さとサイズの無さからの焦りからです。

 

と言いますのも、実は私の足のサイズは横幅がかなり大きく、ワイドサイズの中でも4Eほどの大きさでしか入らないサイズとなっております。

しかして、今のシューズはどれも3E止まりがほとんどであり、4Eがあったとしても重すぎる、高すぎるなど、私の財力で長距離を走るには不適切なシューズばかりでした。

とは言え、以前履いていたシューズはどれも廃盤になっておりますし、『HEATRACER』に至っては元々無理をして履くことで横幅を慣らした経緯があるために一から履きたくもありません。

 

そんな中でたまたま見つけた本シューズ。

2Eサイズでありながら横幅もピッタリジャストサイズ、値段も約5,000円とお手頃価格でした。

さらに試着をしてみたところ、かなり軽くてバネ感もあったため、ネットで購入を決断しました。

しかし、結果は上記の通りで、タイムを目指すとは程遠いものであったことが判明しました。

 

つまりは、私の思い込みによる完全なる早とちりだったわけです。

 

そんな今回の結果から私が皆さんにお伝えしたいこと。

値段や感覚など表面的なものではなく、実際に使用するなど内面を吟味した上で選択しましょう。

 

今回のようにシューズの購入に限った話ではありません。

衣服や食材、家電などの身近な物から、車や家など規模の大きい物、友達や恋人など人間関係にも同じことが言えると思います。

安いから、見た目が良いから、お金持ちだから…など、そういった表面的な理由ばかりを追って物と選択していると、今回の私のように後悔する時が来るかもしれません。

 

もちろん、どんなものにでも使えるアドバイスではありませんし、中には表面的な情報が大切になることもあるかと思います。

しかし、しっかりと中身を吟味することは目を養う力にもなり、物質的にも、肉体的にも、精神的にも豊かな生活になるなど、その後の人生を大きく左右するポイントになり得ります。

そうしたことを考えると、やはり表面的なものばかりに固執し過ぎず、内面的なものも見ていくべきだと個人的には思います。

 

シューズという点に置けば、Amazonでは試着、試走ができるサービスも存在しています。

私自身、サービス自体があることは知っていたものの、「要らないだろ」という浅はかな考えからその機会を自ら手放し、価格と第一印象だけで購入に至ってしまいました。

今にして思えば、そういったサービスを素直に受けていれば違ったようにも感じます。

 

そうした機会というのはシューズだけに関わらず、日常的に訪れるものだと思います。

皆さんは私のように表面的なものに囚われず、内面も大事であることを自覚し、こうした機会を逃さぬようにしていただけたら幸いです。


さて、今回はここで終わらせていただきます。

今後もこういった趣味のお話や私の独り言をブログに記していきますので、気に入っていただけたら再び足を運んでくれたら嬉しいです。

それでは、皆さんまたお会いしましょう。

さようならー。

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